労災で会社に慰謝料500万円要求しながらパチンコ三昧、作業員vs社長の顛末3

「えっ?あいつ、まだ休んでるの?でも、数週間前、自転車に乗っているところを見たぞ!?とっくに復帰したと思っていたんだけどなあ……」

社長は早川の目撃情報に驚いた。

「金子が嘘をついているのか……?」と思った社長は早川の助言で、金子を偵察することにした。当初は、社長と早川の2人で金子の家の前を張り込みしようと考えていたが、金子に気づかれる可能性が高いうえに、確実な証拠を確保する必要があると考え、プロの探偵を雇うことにした。

2週間ほど経って、探偵事務所から報告を受けた小林は、金子の写真を見て呆れてしまった。「腰が痛くて歩けず、働ける状態じゃない」と言っていた金子は、元気に自転車に乗って、パチンコ店や居酒屋に出入りしており、中には、小走りをしているかのような写真もあった。

● 金子の証拠写真を見せると 知人・野田は顔色を変える

その後、金子の知人である野田という男性から連絡が入り、近くの喫茶店で社長と早川が会うことになった。野田は、金子と以前同じ職場にいたことがあり、今は建設会社で人事を担当しており、労災事故について詳しいとのことだった。

「金子さんは仕事中の事故で歩くこともできない大ケガを負っているんです。仕事中のケガについては、会社に責任があることはご存じですよね?」

野田は「仕事中のケガは、会社に責任がある。労災請求とは別に慰謝料を払うべきだ」と執拗に繰り返した。さらに、「金子は離れて暮らす子どもの養育費等を支払わなくてはならないのに働けなくなって困窮しており、逸失利益としては妥当だ。争ってもお互いに時間とお金の無駄なのだから、金銭的に解決した方がいいのでは?」と迫ってくる。

野田の言い分を黙って聞いていた社長は、ついに、切り出した。

「金子は歩くこともできない大ケガを負っているんですよね?おかしいですね。私が見た写真と様子が違うようだ」と言うと、胸ポケットから厚みのある封筒を取り出し、中から例の写真を出して机に広げた。

「ここ2~3週間で撮った写真です。全て金子ですが、とても歩けないような大ケガを負った人には見えませんよね?」

野田は、写真を見ると驚いた様子で顔色を変えた。

「いや、私が会った時は、松葉杖をついていたし……。いや、これはちょっと……。私も聞いていないです……。本人と話してまた連絡しますので、今日の所は失礼します」

その後、金子からも野田からも連絡はなく、金子の携帯に電話しても全くつながらなくなった。

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この記事を書いた人

宮崎県宮崎市の探偵事務所所長です。徹底調査・安心契約をお約束。それぞれのお悩みに沿ったハイレベルな調査プランをご提案。
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